地元なじみ。
「……確かに、後からは出しづらいな」
苦笑しながら、今度は陽向が私にプレゼントを差し出してくれた。
緊張しながら、そのリボンをほどく。
「ブレスレット……可愛い」
「……ネックレスと迷ったけど。制服の時の首元はこの前のネクタイしてくれてるって思うとこっちかなって。バスケでも使うし、手って俺らにとって大事だから」
「嬉しい……ありがとう」
「ふっ、確かに気に入ってもらえるか不安で、色々説明っぽくなっちゃうな」
「うん……」
陽向には申し訳ないけれど、嬉しすぎて空返事になるくらいに、ずっとブレスレットを見つめている。
細い上品なチェーンに、ワンポイントで小さなお花のチャームとその周りにいくつかのストーンが連なっている。
すごく、すごく可愛い。
「朱莉?」
「ごめん、陽向が一生懸命選んでくれたって思うと嬉しくて……」
「うん。俺も同じ」
「悩んでる時あんなに不安だったのも、一緒なんだね」
頷きながら、陽向はブレスレットを私の左手に着けてくれた。
「ありがとう」
「ん」
自分の手に着けたブレスレットを改めて眺める。
可愛いのはもちろん、幸せとか嬉しさとか色々とこみ上げてくる。
「ところで朱莉……」
「さっき、プレゼント悩んだり不安って言ってたよね?」
「う、うん」
「もちろん俺もそう」
「うん」
「ちょっと相談というか提案があるんだけど……」
陽向は視線を泳がせたり、口に手をあてたりと、少し言いづらそうにしている。
「これからこういうプレゼントの時……事前に相談しない?」
「相談?」
「何がいいかとか、もっと言えば当日どう過ごしたいとかも……お互いリクエスト聞ければって……もちろん、サプライズの時もあっていいんだけど」
「あ、いいね」
「……いいの?」
私が即答したのが意外だったようで、ポカンとしている。
「実は私も同じようなこと思ってて。私たち多分……お互いサプライズとか派手なことするってタイプじゃないでしょ?」
「まあ……」
「何なら、実用的かとか現実的か、とか考えちゃうタイプじゃん?」
「そうだね」
「今回こういう一生懸命考えること経験したし、次からはお互いリクエストの方がいいなって思ってた」
「……さすが朱莉だね」
「ん?それは褒めてるの?」
ジーっと陽向を見る私の頭を、微笑みながらポンポンとしている。
その表情からは、よかったという陽向の想いがあふれていた。
「うん。俺は朱莉のそういうところが、すごく好きなんだよなって改めて思っただけ」
「え、どういうところ?」
「ふっ、分からなくていいよ」
そう言って陽向は私の肩を抱き寄せ、そっとキスをした。