地元なじみ。
小6*ホワイトデー

1ヶ月後――ホワイトデー
バレンタインのその後、塾内で特にそのことを口にすることもなく、ホワイトデーを迎えた。
と言っても、例によって私は梓ちゃんに言われて初めて気がついたのだけれど。

授業が終わって帰ろうとした時、早川くんたちに呼び止められた。
何か見覚えのある光景……この前と同じ構図だけど、ポジションが反対。
そんな中、平塚くんと三島くんが梓ちゃんに話しかけて、私の目の前には早川くん。

「……これ」

そう言って早川くんが差し出したのは、淡い水色と白のストライプの箱。
知ってる……有名なクッキー屋さんの箱だ。

「え、私?」
「他にいないでしょ」
「あっありがとう!これ、有名だよね」
「……適当に選んだだけだし」

自分で選んで、買ってくれたんだ。
照れているのかやっぱり目を逸らしている早川くん。
けれどそんな彼のことが視界に入らないほど、自分で選んでくれたという事実が思っていたより嬉しくてジーンとする。

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