地元なじみ。
もう行かないと、塾に間に合わない。
最後にもう一つ、勇気を出してみる。
「あっ、あのさっ!これからも練習試合あるなら、その……情報交換というか事前連絡というか……」
「なに」
「れっ連絡先、交換しない?」
言った……!ドキドキして口から心臓が飛び出そう。
断られるかな……そうしたらどうしよう……
私の緊張とは裏腹に、早川くんは無言でスマホを開いて何かをタップしている。
キョトンとしてその動作を見ていると……
「え、交換するんじゃないの?」
早川くんはなんでスマホの準備してないの?という顔で見てきた。
ええー……いいよとか言ってくれてもよくない?とか思うこともあるけれど、交換できる嬉しさにかき消される。
私のスマホに早川くんの連絡先。どうしよう、すごく嬉しい。
試しに最初にネコがバスケをしているスタンプを送った。
中学生になってスマホを買ってもらって、このスタンプだけ有料で購入の許可がお母さんから出たものだ。
「ぶっ、何これ」
「可愛いでしょ」
改めて塾へ向かう途中、嬉しさのあまりうっかりスキップをしてしまい、隣で早川くんが引いている顔をしていたけれど気にしない。
いつでも連絡できる。
塾しか接点のない私たちにとって、これほど心強いことはないのだから。