地元なじみ。
西の空に陽が沈んで、辺りは暗くなってきた。
なんとなく、夏の夜空よりも深い色の暗さに、冬がすぐそこまでやって来ていることを感じる。
遊園地で目一杯遊んだ私たち3人は、パークの中心にある湖で開催される閉演前のナイトショーを見ようと、その周りにある少し高い見晴台のようなところにいる。
「わぁ……早く来てよかったね、人集まってきたね」
早めに来ただけあって、最前列を確保できた私たち。
今まではまばらだった人がどんどん増えてきて、もう最前列は埋まってしまっている。
少し寒いけれど待ってよかった、あと3分……と思っていると。
「これのせいで見にくいんだけど」
という声とともに、頭につけていたカチューシャをツンツンと触れられる感覚があった。
もう、声でわかる……驚きと嬉しさで振り向くと、やっぱりいた。
「早川くん……」
意地悪?を言われたはずなのに、会えた嬉しさ、話しかけてくれた嬉しさで一気に鼓動が跳ね上がる。
できる限り自分を落ち着かせて周りを見てみる。
早川くんのほかには平塚くんと三島くんだけで、美玲ちゃんたちの姿は見えない。
梓ちゃんのちょうど後ろに三島くんが立っている。よかったね、梓ちゃん!
「あれ、3人だけ?」
「混んでるから別々で見ることにした」
「そうなんだ」
こんなに人がいる中で、たまたまかもしれないけれど、私たちの後ろにいるのが嬉しい。
しかも、ライトアップがきれいな遊園地でのショーという状況。
2人きりではないけれど、ドキドキしてしまう。