地元なじみ。

――これにて水上ショーは終了です。本日はご来園ありがとうございました。またのご来園をお待ちしております――

ショーが終わり、閉演を告げるアナウンスが聞こえてくる。
短い時間だけれど、早川くんと見ることができてよかった。
もうお別れだな、美玲ちゃんたちと合流するのかな、なんて思うけれど、今なら笑顔で「またね」と言える自信がある。

「うおっ!」

突然の人の波が押し寄せてきた。
みんな帰るために一斉に出口の方へ向かっているから、その流れができていた。そして、ぎゅうぎゅうに押しつぶされそうなほどの人混み。

「ひなた、藤沢!とりあえずこのまま出口に向かおう、ついてきて」
「おー」

前から平塚くんの声が聞こえる。
私がショーの余韻に浸っている間に、梓ちゃんとのんちゃんは平塚くんと三島くんと数メートル前にいて、人に押されるように歩き始めていた。

「はぐれないでね」
「うん」

早川くんに言われ、私たちも歩き始める。
人混みで、私の左肩と早川くんの右肩が少し触れる。
手を繋いでいるわけでもないのに、私の神経は左腕に集中していた。
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