地元なじみ。
高台をおりると、道も広くなったからか少し混雑が緩和された。
それでも人は多いし、梓ちゃんたちは見失ってしまったので、引き続き早川くんと2人で出口へ向かう道を歩く。
梓ちゃんたちに追いつくために早歩きをした方がいいのに、まだ終わりたくなくて私の足はゆっくりになる。
でも、早川くんも合わせてくれているのか、同じ速さ。
だからこのままでいいかな……と甘えてしまう。
突然、早川くんが手に持っていた私のカチューシャを自分の頭につけた。
「え……やっぱつけたかったんじゃん」
「手に持ってるの疲れただけ」
「あ、ごめん!そういえば持たせちゃってたこと忘れてた」
「忘れてたのかよ」
ははっと笑いながら、猫耳カチューシャをつけた早川くんが可愛くて愛おしい。
結局、早川くんは出口のゲートをくぐるときまでカチューシャをしていて、ゲートを出た瞬間取っていた。
出た瞬間に現実に戻るところも早川くんらしくて、笑ってしまった。