地元なじみ。
中2*練習試合

日差しが強くなり、夏を感じ始める今日この頃――中学2年生の7月。

「俺、藤沢のこと好きで……付き合うとか、考えてもらえないかな」

中学2年生になった私、藤沢朱莉は人生初めての告白をされている。他校で。
……そう、他校で。

土曜日、男女ともにバスケ部の練習試合で、なんと早川くんの中学校に来ている。
会場校である早川くんたちが体育館の準備をしてくれているため、私たちの学校はその外のグラウンドとの間にあるスペースで、各自アップや準備をしているところ。

そんな中、私は女子を代表して1人で、試合中に飲むドリンクの容器を外の水道で洗っていた。
私以外の人の気配はなかったのだけれど、ふと隣に人影を感じた。
チラッと見ると、同じく男子バスケ部を代表して洗いに来ている、同級生の佐藤くんだった。

クラスも同じだし、普段もよく話す間柄。つい今まで洗いながら雑談をしていたはずなのだけれど……
女子の分は洗い終わって一足先に戻ろうとした時、呼び止められて告白をされているのが今。

「え……わ、私?」
「うん。その、1年の頃から」

ええ!全然気づかなかった。
佐藤くんの緊張が伝わってきて、私も一気に緊張してしまう。

沈黙が続く。

どうしよう……な、何か言わないと……!
早川くんといる時のいつもの沈黙は平気なのに。
この沈黙は早く破りたいと焦る気持ちが湧き上がってくる。

……こんな時でも、頭をよぎるのは早川くん。
佐藤くんの気持ちはすごく嬉しいけれど……私はやっぱり……
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