地元なじみ。
中2*保健室
「座って」
「え、なんで……」
「ひねったでしょ、ファールもらった時」
「え……」
どうして……なんで気づくの……
嬉しさと驚きと悔しさと……そしてやっぱり早川くんはこういう人だって気持ちが一気にこみ上げてきて、泣きそうになる。
「フリースロー、1本目の外し方。あれ、打つ瞬間痛みで手元が狂ったやつ。俺も経験あるからわかる」
「……そうなんだ」
「とりあえず早めに湿布は貼った方がいいから、連れてきた」
「ありがとう」
痛みがなかったらシュート入れられたでしょ?と言われたようで、嬉しかった。
話しながら早川くんは保健室の棚から湿布を取り出してくれる。
土曜日だからか、保健室には誰もいなかった。
湿布の箱を開ける音だけが保健室に響く中、早川くんが口を開いた。
「……さっきの、学校の人といたのに、その……無理矢理連れてきて悪かった」
「ううん、全然大丈夫!ちょっと戸惑ってたから、むしろ助かったっていうか……」
「そ?仲良さそうだったけれ……」
「そんなことないよ!?……いや、そう言うのも変か……」
かぶせるように否定してしまった。ごめん佐藤くん、こんな風に言ってしまって。
でも、誤解されるのは嫌で。特に早川くんだけには。
早川くんは心なしか、ふっと微笑んだように見えた。