地元なじみ。

「あのマークついてた相手の人、多分うちの女バスで一番うまい」
「え……あ、うん。そうだよね、多分」
「マーク決めたの先生?」
「う、うん。多分身長順で当てたのだとは思うけど」
「身長順で当てて、実力的にミスマッチだなと思ったら、途中でマーク変える指示出るはず。最後まで変わらなかったってことは、期待されているとか、実力的に見合ってるってことだと思う」
「そんな……」
「少なくとも俺は……足引っ張ってるなんて思わなかった」

ぶっきらぼうな早川くんの、恐らくは精一杯の優しい言葉と励まし。
モヤモヤやくすぶっていた気持ちがその言葉に溶かされて、一気に心が晴れていく。

「十分上手いって、俺には伝わったけど」
「……ありがとう」
「痛みこらえた変な顔も、今の泣くのをこらえた変な顔も伝わった」
「ちょっと!」

怒ったふりをするけれど、これも変なしんみりした空気にさせないための早川くんの優しさってわかる。
優しさをもらってばかりで、どんどん好きがあふれてくる。
気持ちを自覚してから途切れることなく、むしろ毎日大きくなっていく想い。
そろそろ溢れてしまいそうなくらいで。

他の人が入る隙間もないくらい、私の中には早川くんしかいなくて。

佐藤くんとのことを誤解されるくらいなら、伝えてしまおうか。
溢れてしまうこの想いを。

「は、早川くん!あっあのさっ……!」
「ん?」
「あ、あっあの……」
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