地元なじみ。
「わっ!」

花火大会が終わった時、私の右隣にいたお兄さんが酔っぱらってふらついたみたいで、私の方に倒れかかってきた。
その勢いに押されて、私も左半身が早川くんにもたれかかってしまう。

「大丈夫?」
「う、うん。ごめん……」

早川くんは右腕を私の背中から回し、私とお兄さんの間の柵に置いた。
私は今、早川くんの右腕の中にすっぽりいる状態。

早川くんの腕……温かい……
その熱が守ってもらっていることを実感して、よりドキドキさせられる。

「……大丈夫?」

私がポーっとしていた間にお兄さんはいなくなっていたようだ。
それでも引き続きもたれている私を見て、早川くんが心配してくれている。

わ、私……なにして……

早川くんから体を離したけれど、一気に全身が熱くなってくる。
あまりにも幸せで、恥ずかしいことをしてしまっていた。でも……

「この前の足が痛いとか?」

本気で心配してくれる早川くんに申し訳ないけれど、もう少しこの時間が続いて欲しい。
だから……

「うん、ちょっとだけど」
「ま、混んでるしゆっくり行くか」

ごめん、早川くん、みんな。
まだ一緒にいたくて、ゆっくり帰って時間を引き延ばしたくて……ウソついちゃった。

「時間平気?」
「う、うん」
「じゃあ少しボーっとして、空いてきたら駅行くか」
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