地元なじみ。
「お昼、みんなで外で食べてて楽しそうだね」
「別に。平塚たちと行くところに、他がついて来ているだけだけどね」
「そっか。いつもどこに行ってるの?」
「駅前で適当。あ、でもこの前出来たばっかのパスタ屋行った、うまかった」
「あ、そこ気になってたんだよね。いいな~」

たわいもない会話が楽しくて嬉しくて、これだけでもドキドキする。
早川くんとこんなに普通の会話が続いたの、初めてなんじゃないかな。

「……今度行く?」
「……え」
「この前言ったストリートバスケの帰りとか」
「で、でも早川くん反対方面じゃ……家から遠くなっちゃう」
「どうせ駅までは一緒に来るんだし、いいんじゃね」

それは……駅までまた一緒に来てくれるってことなのかな。
違うって言われたらテスト結果に影響が出そうだから、今は聞かないで当日を待ってよう。
バスケだけでも楽しみなのに、パスタに、そのあと駅まで……贅沢すぎる。


――キーンコーンカーンコーン――

授業開始5分前のチャイムが鳴る。

「じゃ」
「あ、早川くん。テスト終わったら連絡していい?日にち決めるのに」
「おー」

すっと教室を出て行きながら、また片手をあげて返事をしてくれた。
このしぐさ……後ろ姿だけれど、早川くんの優しさがにじみ出ていて好き。

結局、花火大会の返事の時しか活用できていないスマホでの連絡をする理由ができた。

テスト頑張ろう……!
終わったら……2人でバスケにパスタ、楽しみがいっぱいだ。
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