地元なじみ。
スカッ――

「……へ?」

なのだけれど……思いっきり空振りしてしまった。
早川くんが手を更に上に挙げたからだ。

「ちょ、ちょっと!」
「ダサ」
「ひどくない!?」

意地でもハイタッチしようと、私も思い切り背伸びして手を伸ばすけれど、全く届きそうにない。
必死だったために気がつかなかったけれど、私たちの距離はすぐ近くになっていた。
見上げたすぐそこに、早川くんの顔がある。

「……小さ」
「そっちが……大きいんだよ」

その距離に、その雰囲気に……心臓が一気に跳ね上がる。
大きな音を出している鼓動が聞こえてしまっているかもしれない。

出会った時は同じくらいだったのに。
いつの間にかどんどん大きくなっていて、見上げるようになっていって。
私は女子で、早川くんは男子なんだなって実感する。

結局ハイタッチはしていないけれど、そんなことはもういい。
2人の間にほんの少しだけ隙間がある影が、長く長くコート上に伸びていた。
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