御曹司の契約妻が本物の妻として愛されるまで
昔からこういうことはよくある。だから慣れっこだった。
「私、今日は早めに出ますね」
「送ろうか?」
「大丈夫ですよ。それに……」
彼が愛用する車で会社に行ったら、周りからびっくりされてしまう。
彼が愛用しているのは、私ですらよく知っている高級外車のエンブレムがついた車だ。滅多に彼の車に乗ることはないけれど、乗り込むたびに緊張してしまう。
それに、ただでさえ蓮さんのイケメンっぷりは従業員たちに周知されている。
以前、彼が一度会社に来てからというもの、手のひらを返したように女性社員からは羨ましいと言われるようになってしまったのだ。
そんな彼が高級外車で乗り付けて来たとあっては、大騒ぎになって仕事どころではなくなるだろう。
なんとしてでも、彼が来ることだけは阻止しなければならなかったわ、
「とにかく、私は大丈夫ですので……!」
「わかった。でも本当に無理だけはしないように」
「ありがとうございます」
牛乳を半分ほど飲み、のろのろと身支度をして、いつもより早く家を出る。
どうにも体が鉛を入れたように重く、吐き気も付き纏うせいで、途中電車を何度も降りてしまった。
――結局、遅くなっちゃった……。
ほぼ遅刻ギリギリでオフィスに入り、ふぅ、と息をつく。
それからも胃の気持ち悪さは拭えず、昼も夜も食欲はないままだった。
「私、今日は早めに出ますね」
「送ろうか?」
「大丈夫ですよ。それに……」
彼が愛用する車で会社に行ったら、周りからびっくりされてしまう。
彼が愛用しているのは、私ですらよく知っている高級外車のエンブレムがついた車だ。滅多に彼の車に乗ることはないけれど、乗り込むたびに緊張してしまう。
それに、ただでさえ蓮さんのイケメンっぷりは従業員たちに周知されている。
以前、彼が一度会社に来てからというもの、手のひらを返したように女性社員からは羨ましいと言われるようになってしまったのだ。
そんな彼が高級外車で乗り付けて来たとあっては、大騒ぎになって仕事どころではなくなるだろう。
なんとしてでも、彼が来ることだけは阻止しなければならなかったわ、
「とにかく、私は大丈夫ですので……!」
「わかった。でも本当に無理だけはしないように」
「ありがとうございます」
牛乳を半分ほど飲み、のろのろと身支度をして、いつもより早く家を出る。
どうにも体が鉛を入れたように重く、吐き気も付き纏うせいで、途中電車を何度も降りてしまった。
――結局、遅くなっちゃった……。
ほぼ遅刻ギリギリでオフィスに入り、ふぅ、と息をつく。
それからも胃の気持ち悪さは拭えず、昼も夜も食欲はないままだった。