御曹司の契約妻が本物の妻として愛されるまで
◇
「う゛っ……ぅ……」
それからの私は、体調が悪くなる一方だった。
家事すらもままならず、最近は彼が朝食や夕食の準備をしてくれる。
ほとんど自炊をしないはずの彼が、私のために食べやすいおかゆや雑炊などをネットで調べて作ってくれるものだから申し訳なくなった。
「すみません。ずっと体調が戻らなくて……」
胃腸の強さには自信があったけれど、ここのところ何を口にしても体が受け付けてくれない。
蓮さんは無理をするなと言うと、家事のほとんどを私の代わりにやってくれた。
「いろいろと、ありがとうございます……」
「今日は早く休んで。それと……」
「どうかしましたか?」
「いや、なんでもない」
彼が何かを言いかけて、途中でやめる。
私は彼に抱き起こされながら自分の寝室へ向かおうとしたけれど、なぜか彼の寝室に連れて行かれた。
「蓮……さん?」
「体調が落ち着くまで、しばらく俺の部屋で寝てほしい。そのほうが、何かあったときにサポートできるから」
「でも……」
「お願いだから」
そんなふうに言われてしまったら、断れない。
私は久しぶりに彼の部屋のベッドで眠ることにした。