勘違い一夜から始まる極甘策士なドクターの激愛婚〜偽装結婚は旦那様の甘い罠でした〜
 彼女と出会ったのは、ごく普通の公立高校に通っていたから。絵心はまったくないにもかかわらず、漫画を読むのが好きというだけで入った漫画研究部で、同じ理由で先に入部していた彼女と意気投合したのがきっかけだ。

 美桜のお父さんも医療用食品のメーカーに勤めているため、お互い病院に関係があるというのも仲よくなった理由のひとつでもある。

「花恋の中身を知ると、周りが持つイメージと全然違うのよね。ほんわかしてるのに自分の意志をちゃんと持っててわが道を行くし、めっちゃかわいい顔して肝が据わってるし。牛丼屋にもひとりで入れるでしょ?」
「もちろん。ひとり居酒屋も、ひとりカラオケもするよ」

 友達とわいわいやるのも楽しいけれど、誰も気にせず自由に行動するのも好き。昔から一匹狼みたいなところもあって、女子グループが苦手だったりもした。でも、幸い友達に恵まれて大きな問題が起きたことはない。

 美桜も、高校時代から今までずっと私をかわいがってくれている。私は親しい人の前にいるときほど表情が乏しくなるから、なにを考えているかわかりづらいだろうに。

「それに、私には作り笑顔もしないし。今も本当に温泉気持ちいいのか?って思うくらい反応薄いけど、私はそういう素の花恋が好きだな」

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