勘違い一夜から始まる極甘策士なドクターの激愛婚〜偽装結婚は旦那様の甘い罠でした〜
 以来、恋愛をするのは億劫になっている。また同じようなことを繰り返すかもしれないから。

 世の中の男性が皆、初恋の彼のように感じるわけではないとわかっている。でも、どうしても一歩を踏み出せないのだ。

 恋をしなくても生きていけるし、ひとりで自由に生きているのも気楽だ。ただ、物足りない感覚はずっとある。

 いつか、私のすべてを見せられる人と出会って、目いっぱい愛されてみたい──。



 恋愛から遠ざかって、早くも四年の月日が流れてしまった。

 一応社長令嬢なので、周りから縁談を持ちかけられることも多々ある。しかし、両親は私の意志を尊重して、無理に結婚させようとはしないからありがたい。

 というか、父は私のことが好きすぎて結婚させたくないのだろう。父は普通の人より愛が重めなので、いまだに子離れしてくれないのだ。

 とはいえ、二十六歳にもなると友人からちらほら結婚報告が届くし、私もいつまでもこのままではいけないかなと思い始めている。温泉で美桜も『二十代は市場価値が高いから、婚活するなら今がいいみたいだよ』と言っていたし。

 いつかは結婚したいという人並みの願望もあるから、そろそろ恋愛モードをオンにしなきゃいけないよね。やる気はやり始めてから起きるというし、とりあえず参加してみてもいいのかも……。

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