執愛滾る脳外科医はママと娘を不滅の愛で囲い込む

舞い降りた奇跡

 舞い降りた奇跡

「ちょうど八週目に入ったところですね。おめでとうございます」
 体調不良で訪れた病院で医師から予期せぬことを告げられ、私、(ひいらぎ)瑠璃(るり)は大きく目を見開いた。
 もともと生理不順であったから、まさか自分が妊娠しているとは思いもしなかった。
 沸々と湧き上がってくる温かい感情。
 自然と目尻から大粒の涙が零れていき、下腹部に手を伸ばす。
 (れん)()くんとの赤ちゃんがお腹にいる。
 それは、突然舞い降りた奇跡で。
 蓮斗くんに一方的に別れを告げた日から、ずっと心の中に空いていた穴が埋まっていく気がした。
 不思議と戸惑いや不安は感じない。
 愛する人の子どもを授かれたことが、ただただうれしかった。
 妊娠したことを彼に伝えることはできないけれど、ひとりでこの子を育て守り抜いてみせる。
 だから、どうかどうか。
 蓮斗くんも幸せでいて。
 病院を出たあと、頭上に広がる真っ青な空を見上げながらそう願った。
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