-悪魔の花嫁-

啓介はあたしたちの向かい側に座った。

『ピアノだけは守れなかった…ごめん。』

『啓介…これだけでも十分だよ…ありがとう』



『姉さんはエリアルさんと結婚するの?』

『俺はそのつもりだから…』

とあたしの代わりにエリアルが言った。

嬉しすぎる…子供出来たのに…そんな言葉一つも言ってくれないから…しないのかと思ってた…




『あたし、ずっと向こうで生活するつもりだから。』

『そっかー…実はさ…俺、学校辞めたんだ…』

えっ…?

『授業料が払えなくて…今は、近所の工場で働いてる。』

『そうなんだ…何も知らなくて…ごめんね…』

『連絡しなかったからね…姉さんが幸せなら、俺嬉しいよ。』

啓介は微笑んだ。
< 115 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop