-悪魔の花嫁-
啓介はあたしたちの向かい側に座った。
『ピアノだけは守れなかった…ごめん。』
『啓介…これだけでも十分だよ…ありがとう』
『姉さんはエリアルさんと結婚するの?』
『俺はそのつもりだから…』
とあたしの代わりにエリアルが言った。
嬉しすぎる…子供出来たのに…そんな言葉一つも言ってくれないから…しないのかと思ってた…
『あたし、ずっと向こうで生活するつもりだから。』
『そっかー…実はさ…俺、学校辞めたんだ…』
えっ…?
『授業料が払えなくて…今は、近所の工場で働いてる。』
『そうなんだ…何も知らなくて…ごめんね…』
『連絡しなかったからね…姉さんが幸せなら、俺嬉しいよ。』
啓介は微笑んだ。