電話越しで恋をした副社長から、突然プロポーズされました
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東京での暮らしは道に迷う。
札幌のように碁盤の目になっていないので同じ道をただグルグルと回ってしまうこともある。
大変だけれど、周りにたくさん人がいる中で働くことは初めてで充実した毎日を過ごしていた。
今日は、総務部で一緒に働いている先輩の間宮涼子さんに社員食堂でランチをしようと誘ってもらったので、お弁当は持参しなかった。
節約と健康に気をつけたくて手料理を持っていくことが多かったのだ。
副社長にもお弁当を作ろうかと何度か思ったけれど、ランチタイムでは社員や外部の人と交流をすることがあると聞いていたので、提案したことは一度もない。
社食で食事をしてみたかったし、誘ってもらえたのはすごく嬉しかった。
到着するとパステルカラーを中心とした椅子で、清潔感のあふれるカフェという感じがした。
私は日替わり定食を注文し、トレーに料理を乗せた。
ランチタイムの食堂は賑わっている。
その中で空いている席を見つけて座った。
「こうやってオフィスで先輩とランチするって憧れていたんです」
「面白いこと言うよね。でも北海道で女子一人で働いていたって偉いよね。これからは私がいるから安心してね」
間宮さんは、丸いメガネをかけていて、人懐っこい性格をしていて、テキパキとしていてとても頼りになる。
頼もしいなと思いながら食事をすると、味もすごく美味しかった。料金も良心的だしたまにはこうして社員食堂で食事をするのも悪くない。