電話越しで恋をした副社長から、突然プロポーズされました

「ケーキ食べていたんです」
「そっか。ちょっと遅かったな」
そう言ってケーキの箱を出してくれた。わざわざ購入してきてくれたのだ。忙しくて大変なのに私のことを優先して考えてくれる本当に優しい人だ。素敵な人に出会えて私はそれだけで最高のクリスマスプレゼントもらったような気がする。
「大丈夫です! 甘いのはいくらでも食べられます」
クリスマスケーキと、翔太さんがいるだけでキラキラと輝くクリスマスに変身した。
濃厚なチョコレートのケーキが甘くて最高。
ふと、翔太さんに視線を動かすと優しい目で見ている。
「そんなに俺に会えたことが嬉しい?」
「もちろんです。会いたくてたまらなかったんです。でも会えると思っていなかったから今日はプレゼントを用意していなくて……」
「じゃあ、明菜がいいな」
「え?」
急に部屋の中が甘い空気に変わった。
きっとこのチョコレートケーキよりも甘い夜になるんじゃないかな――と、そんな想像をしてしまう。
翔太さんは頭を傾けて私の唇にキスをした。唇が離れると至近距離で視線が絡み合った。
「明菜、メリークリスマス」
「……はいっ、メリークリスマス」
素敵な声で言われてもう私の体は溶けてしまいそうだった。今夜は溶けてもいいと思うほど、翔太さんに会えて幸せ。
私と彼は、お互いの体の隙間を一ミリも作りたくないと、言葉で言わなくても通じ合っているようだ。それほど熱いハグを交わした夜だった。


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