電話越しで恋をした副社長から、突然プロポーズされました
「驚きましたけど……嫌ではないんです。むしろ……夢を見ているのではないかと思いまして……」
「そうですよね。突然言われても困惑してしまいますよね。来週また札幌に個人的に来ます。そのときまでにお返事を聞かせてもらえませんか?」
副社長としてではなく、一人の男性として覚悟を決めて告白してくれたのだと伝わってきた。
「わかりました……」
副社長は柔らかく微笑んだ。
「ではご自宅まで送っていきますね」
「大丈夫です」
「こんな遅い時間に一人で帰すわけには行きませんよ」
そう言ってタクシーに同乗してくれて、私のマンションまで送り届けてくれた。
タクシーの窓を開けて「おやすみなさい」と手を振ってくれる。
「おやすみなさい」
タクシーが走り出し見えなくなるまで私はその場で見つめていた。
部屋に入った私は、ソファに座り込んだ。
恋愛をしたことがない私が、突然結婚なんて……。
しかも会社の副社長に。
身分差もあるし、私は新入社員で社会人になったばかりだし。
でも彼からの告白は心に染み渡っている。
突然人生の選択を迫られたようだ。仕事でしか関わったことがないけれど副社長はいつも誠実で優しい。彼の立場もあるだろうに覚悟を決めて告白してくれた。
でも私が相手なんて本当にいいのだろうか……。
来週また札幌に来ると言っていたけれど、どんな答えを出せばいいのか。
そんなに簡単に答えが出るような問題ではない気がした。