【完結】美容系開業医とワンナイト後結婚したら、溺愛されました!
「愛奈にならわかるけどね、結婚の予定があるのが。あーあ、なんでおじいちゃんはよりによってお姉ちゃんの花嫁姿が見たいんだろう。予定なんてないのにお姉ちゃんが可哀想!」
ちくちくと美雨の心を刺していく言葉だ。うつむいてしまった美雨を、愛奈は勝ち誇った顔で覗き込もうとする。
「あ、ごめーん。本当のことはいえ、言い過ぎちゃった?」
ちっともそうとは思っていなそうな弾んだ声で、愛奈は謝った。愛奈が美雨に嫌味を言っても、両親は助けない。
それが嫌であまり実家に近づかないようにしていたが、まさかこんな場所でも言われるなんて……と唇を噛み締めた。
「私――」
「結婚の予定なら、ありますよ」
え? と青泉一家の目が丸くなる。
「お許しをいただけるのでしたら、すぐにでも」
美雨が顔をあげて、一希を見つめる。彼はとても真剣な表情をしていた。
「嘘でしょ? お姉ちゃんと先生が? 全然釣り合わないじゃない!」
あまりにも大きな声だったから、ギロリと周囲の人に睨まれ、愛奈は「感じ悪ーい!」と機嫌を損ねたように唇を尖らせる。
「えっと、本当に美雨と……?」
「はい。ご挨拶が遅れてしまい申し訳ございません」
遅れるもなにも、美雨と一希は再会したばかりだ。
混乱する美雨はなにも言えず、ただ黙って一希と両親が話しているのを聞いているだけだった。