【完結】美容系開業医とワンナイト後結婚したら、溺愛されました!


 のろのろと起き上がって、まずは洗顔。

 美雨が住んでいるワンルーム六畳の家には、独立洗面所がないためキッチンで顔を洗う。

 冷たい水で顔を洗うと、ぼんやりとした夢の残像も一緒に排水溝に流れていく感覚になる。

 タオルで優しくポンポンと顔の水分を拭うと、化粧水を取り出して早速保湿をした。

 洗顔後のスキンケアは、素早く。

 自分に合うスキンケア用品を探すのは一苦労だったが、今では決まったラインを揃えるだけでいいので、心理的には楽になった。

 化粧水、乳液、美容液、クリーム……。

 中学一年生の頃、先輩に『肌が綺麗』と言われてから、一層肌に関することを気にかけるようになった。

(おかげで肌の綺麗さはキープできているのだけど)

 くすりと小さく笑う。

 きっと先輩にとっては、なんてことのない一言だった。

 泣いている美雨を慰めるために言ってくれたこと。

 それでも、とても嬉しかったのだ。その一言で心がパァッと明るくなるくらいには。

(ちゃんと告白できていたら、こんなに引きずらなかったのかなぁ)

 淡い恋心を自覚してからすぐにまた失恋。

 きっと今、再会しても気づかないだろう。

 日焼け止めまで塗り終わり、美雨は両手を組んでグーッと天井に向けて腕を伸ばす。
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