【完結】美容系開業医とワンナイト後結婚したら、溺愛されました!

試行錯誤

「私たち、交際もなく結婚したので……一希さんがどんなものを好きなのか、わからなくて」

 どれを食べても『おいしい』と言ってくれる一希だからこそ、もっともっと、おいしいものを作りたいという欲が、美雨の中に芽生えていた。

「美雨が作ってくれたものは全部おいしいよ」
「それでも、好みはあるでしょう?」
「……まぁ。また食べたいなって思うのもあるけれど」
「今度、どれが好きなのか、教えてくれると嬉しいな」

 美雨は箸を置き両手を合わせてお願いすると、一希は一瞬目を見開いた。

「うん、絶対教えるよ。……でも、どれもおいしいからなぁ」
「じゃあ、おいしいって思うものをリストにしてくれる? それを参考にして、ご飯作るから」
「わかった。あとでまとめるよ」

 一希からリストをもらったら、それをじっくり眺めて彼の好みを覚えようと心の中で決めて、くすぐったい気持ちになる。

 誰かのために食事を作るなんて、久しぶりのことだ。
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