【完結】美容系開業医とワンナイト後結婚したら、溺愛されました!
昔付き合っていた人たちには『おばさんっていうかおばあちゃんっていうか……』と言われたこともあるので、一希がおいしそうに食べるところをこうして見つめられるのは、役得だと思う。
箸の持ち方も綺麗だし、食べる所作も美しい。
「……どうかした?」
「あっ。いいえ。その、綺麗に食べるなって」
「おいしいからね。……味噌汁、お代わりしていい?」
「もちろんです」
空になった味噌汁碗を受け取り、味噌汁を入れて一希に渡す。彼は「ありがとう」と柔らかく微笑んで、味噌汁を飲んだ。
食べっぷりもいいから、見ていて飽きない。
とはいえ、ずっと見つめていたら食べづらいだろうと、美雨は食事を再開した。
「今日はクリニックが終わったら直帰するよ」
「わかりました。夕飯はなにがいいか、リクエストありますか?」
「そうだなぁ……じゃあ、この前食べた手羽元がいいな」
一希が言っている手羽元は、数日前に作った黒酢煮のことだろう。
「あれ、さっぱりしていて食べやすいよね」
「でしょ? 簡単に作れるし、残りの煮汁で大根やたまごも味つけられるから、ひとり暮らしのとき重宝していたよ」
その頃を思い浮かべて、くすくすと笑うと、一希も同じように口角を上げた。