【完結】美容系開業医とワンナイト後結婚したら、溺愛されました!
「お姉ちゃん……」
「だって、愛奈はいつも人のものをほしがる。与えればすぐに飽きて捨ててしまう。そんな妹の言うことを、信じられるわけがないわ」
自分を落ち着かせるように深呼吸をしてから、美雨は愛奈に近づいてパシンと両手で頬を挟んだ。
視線を合わせると、愛奈はポロポロと涙を流した。
「愛奈はいつもそう。私、実家にいるときに何度も忠告したわ。『いつかしっぺ返しが来るわよ』って。自分がまいた種なんだから、自分でなんとかしなさい。愛奈はもう成人した大人なんだから」
バシっと勢いよく手を叩かれ、その痛みに眉根を寄せると、一希が美雨の手を取って、叩かれたところを撫でる。
「うるさい、うるさい、うるさい! 愛奈は可愛いの、可愛いだけで存在価値があるの! 愛奈と付き合えるなんて幸運なことなんだから、慰謝料なんて絶対払わない!」
ブンブンと頭を振って髪を振り乱す姿は、可愛さよりも恐ろしさを感じる。そして、自分の非を一向に認めようとしない愛奈に哀れを感じた。
それは、自分の成長を止めていることだから。
愛奈の精神はずっと幼いままで止まっていて、自分に不利な状況に耐えられないのだろう。
「……愛奈。逃げちゃダメよ。自分のしたことの責任は取らなきゃダメ」
「だったらお姉ちゃんが代わりに払ってよ。そうしたら愛奈、しばらくは大人しくしてあげる」
美雨は一瞬、愛奈の言葉が理解できなかった。
プッと噴き出したのは一希だ。くっくっくっと喉を震わせて笑い、にじんできた涙を人差し指で拭うと「本気で言っているの?」と腹を抱えた。
「な、なんで笑うのよ、感じ悪い!」
「いやだって、美雨と全然話が噛み合っていないから。まるで宇宙人と話しているようだなって」