【完結】美容系開業医とワンナイト後結婚したら、溺愛されました!
「夫がね、父と話してその話はなくなったの。実は私たち大学の先輩と後輩でね、サークルで知り合って付き合っていたの」
懐かしむように目を細める義母は、恋をしている美しい顔をしていた。
艶やかな笑顔は、見ている美雨の心をキュンと高鳴らせる。
「自分はまだ未熟者だけど、私のことを愛しているから、結婚を許してほしい。そう父に伝えて、染谷家の財力で解決しちゃったのよ」
口元を手で隠してくすくすと笑う義母は、やはり穏やかだった。
その雰囲気はもとからだったのだろうか。それとも、義父と結婚してそうなったのだろうか。
義父から愛されているという自信が、彼女の心を穏やかにさせたのかもしれない。
「お義母さん、今……幸せですか?」
「とっても。学生婚ではあったけれど、夫は私を愛していることを隠さなかったし、たくさんの愛情を注いでくれたの。それは今でも、だけどね?」
声を弾ませる義母からは自信が感じられた。
「だから美雨さんも、大丈夫よ」
美雨はキョトンとした顔を浮かべ、義母はぎゅっと彼女を抱きしめる。
「つらいことを忘れるのは難しいけれど、その記憶を上書きするくらいの幸せが、あなたを待っているわ」
自分の腕の中で身体を震わせている美雨を思いやって、ぽんぽんと優しく背中を叩いて柔らかく言葉を紡いだ。