【完結】美容系開業医とワンナイト後結婚したら、溺愛されました!
「いらっしゃいませ」
「予約していた染谷です」
「こちらへどうぞ!」
店内に入るとすぐに個室に案内された。
創作和食が美味しいと有名な店のようで、メニュー表には様々な見た目も美しい料理の写真が載っている。
それから美雨と一希はそれぞれ食べたいものを選び、その料理に合う日本酒を聞いてそれも注文した。
料理が届くまでの間、映画の感想を語り合う。
一希と美雨で映画の感想が少し異なり、その考察を話しているうちに料理と日本酒が運ばれてきた。
美雨は一希に、一希は美雨に日本酒を注いで、視線を合わせて小さくうなずき「いただきます」と口にしてから一口飲んだ。
辛口の日本酒のようだが、すっきりとした味わいだ。辛口らしくキリッとした強さも感じる。
「……思ったよりも飲みやすいね」
「うん、これはいいな」
クピクピと飲んでいく一希のペースは、いつも家で呑むときよりも早かった。きちんとチェイサーも口に運んでいるのだから、器用だなと感心の息を吐く。
料理も美味しくて、この味を再現するのはどんなふうに調理すればいいかな、という話題で盛り上がった。
「美雨は料理を作るのが好き?」
「え? うーん、どうなんだろう。ひとり暮らしのときは料理といっても、適当だったし……でも、急にどうしたの?」
「今まで、美雨は自分の好きなことを選べていたのかな、と気になってね。もしも美雨にやりたいことがあるのなら、気兼ねなく言ってほしい」
一希は一度箸を置いてから、真剣な面持ちで美雨に尋ねた。
青泉家のことがだいぶ落ち着いたから、そんなことを聞かれたのだろうかと美雨は考える。
そして、自分が好きなことをできていたか、過去を振り返った。