【完結】美容系開業医とワンナイト後結婚したら、溺愛されました!

一難去ってまた一難?

 それからは料理と日本酒を楽しむことにして、いろいろな会話をしながら穏やかな時間を過ごした。

 そして、胃も心も満たされた幸福感に包まれながら、店を出て駅まで歩いている途中、「あれ? 先生?」と女性の声がふたりの耳に届いた。

 くるりと振り返ると、もこもこのコートに身を包んでいる女性が軽く手を振っていて、美雨が誰だろう? と首をかしげると「ああ、()()()か」と一希の口から彼女の苗字が紡がれる。

「クリニックの看護師なんだ」
「初めましてぇ~! ……えーっと、先生、この方は? ご友人ですか?」
「妻だ」

 キッパリと言い切った一希を見上げ、佐々木は身体を硬直させた。

 しかし、すぐに「へぇ」と目を丸くして声をもらす。

「先生、いつ結婚したんですか?」
「結婚式だからと休んだ日があるだろう」
「えっ、あれ本人の結婚だったんですか! てっきりご友人か親戚の結婚式だと……!」

 美雨と一希の結婚式は身内だけの小さなものだったため、詳細はクリニックのスタッフに言っていなかったことを、一希は思い出した。
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