【完結】美容系開業医とワンナイト後結婚したら、溺愛されました!
しかし、きちんと結婚指輪を左手の薬指につけている。なぜそう思われたのか。
美雨は佐々木の話を聞いて、眉間に皺を刻む一希に気づいてぎゅっと手を握った。
(きっと指輪は女よけだと思われていたのね)
こんなに格好いい人だから、自分を選んでほしいとアピールする女性も多そうだ。
指輪を見て諦めてくれたらラッキー、くらいの効力かもしれないが、ないよりマシというお呪いだと考えられていた可能性がある。
佐々木は改めて、一希と手を繋いでいる美雨を頭の天辺から足のつま先までじっくりと舐めるような視線を這わせ、腰に手を添えた。
「……先生って、派手な人が好みではなかったんですか?」
「は?」
「だぁって、派手な女性と歩いているところを見たんですよ、私。あんな派手目の美人が好みなんだって思ったから、先生のことを諦めたのに……まさかこんな地味な人と結婚したなんて!」
喋っているうちに感情が熱くなったのか、佐々木はどんどんと声を荒げ、乱暴に目尻をこする。
(ああ、この人は一希さんのことを慕っていたのね)
地味、と言われても言い返せなかった。
美雨自身が、そう思っていたから。
ズキリと心が痛んで、美雨は地面に視線を落とす。
「……地味? 美雨の、どこが?」
一希の疑問が聞こえて、「え?」と美雨と佐々木の声が重なった。