受付嬢なのに、清掃員から一途に溺愛されています ~タワマン最上階で猫と過ごす、秘密の恋~
 年齢は、三十五歳くらいだろうか。
 若いのに、落ち着いた話し方で、
 どこか余裕がある。

 見かけによらず
 ――なんて言ったら失礼だけれど、
 思った以上に、
 素敵な人だな、と思った。

 ふと、以前見かけた光景を思い出す。
 この会社の年配の社員
 ――たぶん役員クラスの人たちが、
 彼に軽く会釈をして、
 挨拶をしていたこと。

 清掃員であっても、自然に声をかける。
 立場に関係なく、同じように。

 ……やっぱり、
 そういう人が重役になるんだな。

 妙に感心してしまいながら、
 私は缶コーヒーを持つ彼に
 軽く頭を下げた。

 朝の冷たい空気の中で、
 ほんの少しだけ、
 心が温かくなった気がした。
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