受付嬢なのに、清掃員から一途に溺愛されています ~タワマン最上階で猫と過ごす、秘密の恋~
 どんな人なんだろう。
 もっと、知りたい。

 その日の夜、帰宅してすぐ、
 私は名刺を手に取った。
 迷ったのは、ほんの一瞬。

 《週末、もしよかったら、
  お昼ごはんご一緒しませんか》

 送信してから、
 心臓の音がやけに大きく聞こえる。
 しばらくして、短い返信が届いた。

 《……わかりました》

 それだけなのに、胸がふわっと浮く。
 久しぶりの、男性とのデート。
 不安と期待が、入り混じる。

 前職の銀行では、彼氏がいた。
 結婚を迫られていたけれど、
 私はもう少し働きたいと思っていた。
 時間がほしい、と返事を延ばしているうちに、
 彼は新入社員を妊娠させ、あっさり結婚してしまった。
 転職した理由のひとつは、それだった。
 
 ――だから今は、慎重にならないと。
 そう思うのに、
 それでも胸の奥では、
 久しぶりのときめきが、静かに息をしていた。
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