受付嬢なのに、清掃員から一途に溺愛されています ~タワマン最上階で猫と過ごす、秘密の恋~
 翌朝。
 カーテン越しの光が、
 やけに柔らかく感じられた。

 体を起こすと、
 驚くほど楽になっている。
 
 熱も、だるさも、嘘みたいに引いていた。

 「……治ってる」

 呟くと、
 ちょうど西条が部屋に入ってきた。

 「顔色、戻ってるな」

 そう言って、
 ほっとしたように息をつく。

 「今日は休め」

 有無を言わせない口調だけれど、
 そこに厳しさはなかった。

 「課長には、もう連絡してある」

 「……そんな」

 申し訳なさが、胸に広がる。
 でも、それ以上に――
 込み上げてくる感情があった。

 ありがたくて。
 優しくて。
 どうしようもなく、愛おしい。

 こんなふうに
 何も求めず、
 ただ看てくれる人がいるなんて。

 「……本当に、ありがとうございました」

 そう言うと、
 彼は少しだけ照れたように視線を逸らした。
 帰りは、タクシーを呼んでくれた。

 玄関で靴を履きながら、
 少し名残惜しさを感じている自分に気づく。

 「ちゃんと、休め」

 それだけ言って、
 彼は見送ってくれた。
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