受付嬢なのに、清掃員から一途に溺愛されています ~タワマン最上階で猫と過ごす、秘密の恋~
 それでも、ここは転職してきたばかりの職場だ。
 逃げるわけにはいかない。

 受付業務は、
 思っていた以上に覚えることが多く、
 気を抜く暇がなかった。

 来客対応、内線の取り次ぎ、
 会議室の案内。
 小さなミスでも目立つから、
 自然と神経を使う。

 ふとロビーを見回して、思い出す。
 
 ――そういえば、
 朝の清掃員のお兄さんは、
 もういなかった。

 受付に二人並んで立っていると、
 決まって声をかけられるのは絵莉の方だ。

 私はその横で、書類を揃えたり、
 補足の案内をしたり。
 補佐役。

 それが、
 ここ最近の私の日課になっていた。
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