玉座取りゲームを開始しよう
「エレン様!こちらにいたんですね!」

「そんな格好をして、また剣のお稽古ですか?お召替えを致しましょう。ダンスの練習のお時間です。先生がお待ちですよ」

侍女たちに見つかったエレンは取り囲まれ、動きやすい男性ものの服装から豪華で重苦しいドレスへと着替えさせられてしまう。

「とっても綺麗です!」

「エレン様にはドレスの方がお似合いですよ。亡きお母様にそっくりです」

侍女たちが口々に発する言葉に、エレンは俯く。重いドレスのスカート部分を強く握り締めた。

エレンと彼女の弟であるレイは、血は半分しか繋がっていない。エレンの母は彼女が幼い頃に亡くなり、それからしばらくして国王は今の王妃と再婚し、レイが誕生した。

『お前の母親は立派な淑女だった。お前もそうなりなさい』

エレンの記憶にない母親のことを、国王はよく話していた。肖像画に描かれた母親は、確かにエレンに似ていた。ーーー見た目だけは。
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