八年執着されましたが、幸せです ~傷心のホテリエですが、イケメン御曹司と契約恋人になりました~
 彼は私の反応を見て、すぐに答えを悟ったみたいだ。

「責めているんじゃなくて確認だ。どんな感情でかはさておき、まだ心の中に元彼がいるなら、俺と無意識に比べてしまうのも仕方ないと思っている」

 他の人と、特に性的な場面で比べてしまうのは、とても失礼だ。

 異性経験が豊富ではない私でも、それぐらい分かっている。

「何年も向こうで頑張っていたんだから、すぐ忘れろとは言わない。でもその変わり、毎日俺が芳乃を愛して、君の中を俺で一杯にしてあげる。……覚悟してて」

 微笑む彼を見て、思わず泣きたくなった。

 ――どうしてこの人は、こんなに優しくしてくれるんだろう。

 目が潤んだのを見た暁人さんは、クスッと笑うと触れるだけのキスをしてくる。

「君にどれだけ求められても、満足させられる自負はあるよ」

 そう言ったあと、彼は私の首筋に顔を埋め、ちう……と吸い付いてきた。

 その唇がやけに熱く思え、私は色めいた吐息をつく。

 暁人さんは鎖骨、肩、乳房へと優しいキスを繰り返し、吸っては確かめるように舐めてくる。

 大きな手で乳房を自由に揉まれ、親指で横薙ぎにピンと乳首を弾かれると、お腹の奥にジィン……と甘い疼きが宿った。

「ん……っ、ぁ、はぁ……っ、あ……っ」

 私は切なく鼻を鳴らし、腰を揺らす。

「もっと可愛い声を聞かせて」

 暁人さんは熱の籠もった声で言ったあと、乳首に吸い付いてきた。

 その傍ら、もう片方の乳首は優しく摘ままれ、指の腹で先端をスリスリと撫でられる。

 かと思えば先端の微かなへこみを爪で引っかかれ、耐えがたい掻痒感が私を襲う。

「っんあぁあああ……っ!」

 私は気持ちよさとくすぐったさの合間で、甘い善がり声を上げる。

「……っは……、好い声……」

 暁人さんは妖艶に笑い、舌なめずりをする。

 そのあとも彼は好きなだけ胸を愛撫したあと、乳房を揉みながらキスをする場所を下方に移動させる。

 腹部にキスをし、その箇所を確認するかのように舐められる。

「は……っ、あぁ、……あ……」

 ゾクゾクとした愉悦に襲われた私は、無意識に腰を揺らした。

 暁人さんは私の様子を見て妖艶な笑みを浮かべ、両手で腰から臀部の横にかけてスルリと撫で下ろしてくる。

「脚……開いて」

 優しく言われた私は、ボーッとしたまま少し脚を開く。

 けれど「もっと」と脚を開かれ、羞恥のあまり両手で顔を覆った。

「ん……」

 暁人さんは私の腹部に唇をつけ、ちう……とキスをする。

 そしてとうとう下着が下ろされ、私は一糸まとわぬ姿になってしまった。

 私は羞恥と期待、不安とで真っ赤になり、呼吸を荒げる。

「あの……っ、恥ずかしい……」

「大丈夫。全部綺麗だから」

 裸身を褒められたのが恥ずかしく、どんな反応をしたらいいのか分からない。

 結局、私は両手で口元を覆ったまま、黙っていた。

「優しくするから、大人しくしてて」

 そのあと、私は彼の手によって生まれて初めてと言っていいほどの快楽を与えられ、息も絶え絶えになる。

 時間をかけてじっくりと体をほぐされたあと、私はぐったりとベッドの上に横たわってチア。

 暁人さんはベッドサイドの引き出しからゴムを出し、Tシャツを脱ぎ、下着ごとデニムを下ろす。

(綺麗な体……)

 初めて彼の裸身を見た私は、鍛えられて筋肉のついた美しい肉体を見て賛嘆の溜め息をつく。

 それと同時に、暁人さんの慣れた行動を見て、少し落胆している自分もいた。

(いつでも出せる場所にゴムをしまっているって事は、……女性を連れ込んで抱いていた事があったのかな。……でも彼女はいないって言ってたし……。ワンナイトラブ? 元カノと?)

 考えれば考えるほど、彼の事が分からなくて切なくなる。

 私はしょせん、店を助けてもらったお礼に〝大人の恋人ごっこ〟する相手だ。

 贔屓にしている蕎麦屋だから、という理由の他に、暁人さんがどんな理由で私に手を差し伸べたのかは分からない。

 一目惚れしたと言ってくれたけれど、彼みたいな人なら、もっと相応しいお嬢様と恋人になっていてもおかしくない。

 楽観的に考えて、彼が本当に私に好意を抱いてくれていたとしても、ご両親が「そろそろ真面目に結婚しなさい」と〝お相手〟を宛がえば、この関係は簡単に終わるだろう。

(あれ……)

 そう思った時、私はとある事に気づく。
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