二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
少し重たい気分で外に出る。
夕餉は終わって、少しだけ新鮮な空気を吸いたかった……と母には言い訳したが、本当はウィリアムが来てくれるかもしれないという期待からだ。
昨今、治安は必ずしもよくはなく──特に日の暮れたあとは──本来なら、不用意に女がひとりで外をふらつくべきではない。ただ、春子はこの時間帯にウィリアムと散歩に出る習慣ができたせいで、彼がいなくても身体がそれを求めてしまう。
(今夜は冷えるし、少しだけ外を回ったら、戻ろう。もしかしたら、いつもより遅れてウィリアムも来てくれるかもしれない)
そんな甘い考えで、とてとてと舗装された道を歩く。
河川敷はさすがにウィリアムなしでは行けないから、近所の、なにかあれば声の届く範囲だけ散歩しようと考えていた。
そのときだ。
通りの角まできて、そろそろ曲がって戻ろうと踵を返した瞬間、春子は急に誰かに腕を引っ張られた。
「ウィリ──」
──アム、かと、最初は思った。
なぜなら、春子の腕を引っ張ったその人物は、ウィリアムと同じ色の軍服を着ていたからだ。でも、力が違う。背の高さが違う。匂いだって違う。