二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~

新しい日々


 そうして本格的にはじまったスプリング・ヘイブン牧場での生活は、まるで今まで知らなかった本来あるべき場所に帰ってきたかのように、すんなりと乃亜の肌に馴染んだ。

 三日目の朝。
 ダグラスは朝日と共に目を覚ますタイプのひとだということを、乃亜は学んだ。

 湖畔で聞いた話が頭から離れず、夜明け前に目が覚めてしまった乃亜は仕方なく、キャビンの小さなフロントポーチでインスタントコーヒーを啜っていた。
 そこに、すでに完全装備のカウボーイ姿のダグラス・マクブライトが通りかかったのだ。
 遠くの空では地平線が紫と橙に染まりはじめている。

「おはよう」
 と、言って、ダグラスはカウボーイハットのつばの先を片手で一瞬だけ下げた。

 本物だ!
 テキサス生まれコロラド育ちのリアル牧場主が、乃亜に向かってカウボーイ流の敬礼をしてくれた。かっと胸が熱くなって、乃亜はカップを持ったまま立ち上がると敬礼を返した。

「おはようございます。ご苦労さまです」
 そのまま行ってしまうかと思ったのに、ダグラスはその長い脚を有意義に使って乃亜の数メートル手前までやってくる。
「寝ていればよかったのに」
「そうしたかったんですけど、目が覚めちゃって……。なにかお手伝いできることがあるならしますよ、喜んで」
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