二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
美形カウボーイの灰色の瞳が、乃亜の頭のてっぺんから足元までを一瞥する。乃亜はすでに先日の買い物で手に入れた「装備」を着込んでいた。
かっちり系ジーンズと、革のブーツ。トップスこそただの半袖シャツだけど、ダグラスのようなチェック柄のフランネルシャツも購入してあるので、いざ必要ならば羽織ればいいだけだ。
ダグラスはなにか考えているみたいだった。
「なんでも申しつけてください。厩舎でも養鶏所でも、完璧に綺麗にしてみせます」
多分、乃亜の瞳はきらりと光っていた。
ダグラスが小さく頭を振る。
「実は……コテージの客に朝食を出しているケータリングの婆さんが腰をやられたとかで、急遽今朝は用意できないと連絡してきたんだ」
「えぇ」
「うちはホテルではないから、すべての客に提供しているわけじゃない。あくまで必要な客にその婆さんを紹介しているだけだ。でも、まぁ……客からしたら、うちの滞在の印象を左右するだろう」
「それは……そうですね。ご飯は大事だと思います」
その腰を痛めたというケータリング業のお婆さんは気の毒だが、これからダグラスが乃亜を頼ってくれるのかもしれないと思うと、胸が高鳴った。
ダグラスはといえば、本当に乃亜にケータリング代理を頼むのが正しい選択かどうか、決めかねているようだった。
探るような目でじっとこちらを見ている。
「どうか任せてください。だいたいどんな朝食の予定だったのか、画像を見せてくだされば、完璧に真似したものをお届けしてみせます」
胸に手を当てて乃亜は立派に宣言した。