二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~

 冷たい灰色だと思っていたダグラスの瞳は、この至近距離で見るとわずかな緑や茶色が混じっていて、不思議な温かみを感じた。
 光に透かした水晶のような、複雑で、でも優しい色だ。

「そんなのいいんです。無料で滞在させてもらっているんですから、これくらいは」
「君の曽祖父の家にね。普通、金は取らないだろう」
「じゃあ、奢ってもらう代わりに、昨日約束してくれた乗馬レッスンをお願いしてもいいですか?」
「喜んで」

 ──喜んで! ダグラスが! 喜んで乃亜に乗馬レッスンを!

 なにかに納得したのか、ダグラスはやっと乃亜を床に下ろしてくれた。
 乃亜はひと息ついて、今一度スマホの画面にじっと見入る。
 美味しそうに撮ってくれている写真だ。アングルなどもこ馴れた雰囲気で、もしかしたらインフルエンサーとかなのかもしれない。だとしたら、他のSNSでもコテージや朝食について投稿してくれる可能性がある。
 すごい。
 誇らしさと充実感で胸がいっぱいになった。

「明日もやらせてくださいね」
「こちらから頭を下げて頼みたいくらいだよ。そうしてもらえると助かる」

 ダグラスは明日のオーダーについて説明してくれた。
 だいたい今朝と同じくらいの時間帯に、三件、計八名分である。なんでもコテージ内にはミニキッチンが付いているので、宿泊客全員がオーダーするわけではないという。

「……もう一品くらいオリジナルを加えてもいいですか?」
「予算内で収まるなら、好きにしてくれていいよ」
「ちなみに一食分の料金は……?」
 ダグラスは答えてくれた。
 外食の物価が違うのはわかっているけど、結構いいお値段だった。工夫すればもっと豪華にできるかもしれない。
「頑張ります」
 明日の朝を想像して、乃亜の腕が鳴る。

 そんな乃亜のやる気溢れる姿を、ダグラスは可笑しそうに眺めていた。そしてダイニングテーブルにすでに並んでいる朝食を見つけて、あんぐりと口を開けた。
 ……かわいい。
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