二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~

「オーダーに使ったものの余りばかりの賄い飯みたいなものですけど、どうぞ。今朝はまだ食べていないでしょう?」
「そうだ。くそ、ノア……」
 ダグラスは感極まった感じに頭を振った。
「あの旨そうな飯をデリバリーする間、どれだけ自分で食ってしまいたかったか……」
「よかった! じゃあ、一緒にどうですか?」

 そんなふうに、乃亜の新しい生活は軌道に乗っていった。

 ──朝のケータリングと、そこから続くダグラスと一緒の朝食。
 ダグラスはもうしなくていいと言ったが、乃亜は厩舎の掃除を日課とした。馴れてくると馬たちが可愛く思えて、彼らと同じ空間にいるのが楽しかったからだ。
 午後になるとダグラスが乃亜に乗馬を教えてくれて……。
 夜は、ネイトやホセとも一緒に食事をしたあと、フクロウの鳴き声を言い訳にして湖の周囲を散歩する。

(春子おばあちゃんとウィリアムも……最初はこんなふうに……はじまったのかな)

 思わず、そんなことを想像してしまうくらいには、甘酸っぱい日々のはじまりだった。
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