二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
「確かにそうね。でも週末にひと晩くらい特別にやってみるのも面白いかと思うのよ。考えておいてね」
マリアナはそう言って、ダグラスの肩に親しげにぽんと手を乗せる。
ダグラスは特にそれを振り払うでもなく、淡々と受け入れていた。
──ズキン。
胸が痛んだ。心が。
マリアナは背が高くて、体格はしっかりしているけれど女性らしくて、ダグラスの隣に並ぶと本当にお似合いだった。多分年齢も同じくらい。もちろん英語もネイティブで、乃亜のようなアクセントもない。
ずっと男所帯のイメージだったから、こうして日常的にダグラスが別の女性と交流を持つのを見るのははじめてだった。
端的に言って……痛い。
夢から覚めて現実を見せつけられているような気分だった。
「よっ、ノア。今晩はまた君が調理の係だと聞いたから、飛んできたよ」
そんなとき、少し遅れてネイトがマクブライト邸に入ってきた。
ネイトは一直線に乃亜に近づいてくる。
このひとは素直だ。わかりやすくて、ダグラスのように乃亜との間に壁を立てたりしない。
別にダグラスとマリアナに当てこするつもりはなかったし、ネイトはどんな女性に対しても同じように軽く親しく接する……それはわかっていたけれど、乃亜はネイトの存在に安堵を見だして、近づいていった。
「こんばんは、ネイト」
英語マナーの教科書みたいな挨拶を乃亜がすると、ネイトはカウボーイハットを脱いで胸に当てた。
「こんばんは、ノア」
そして目の前にくると、乃亜の手を取ってその甲に小さなキスをした。