二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
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いったいなんの因果か、その日に限っていくつもの難事が重なった。
まずダグラスが厩舎に着いた途端、まだ日が満ちていないというのに、妊娠中だった雌牛が出産に入ったとホセから連絡が入った。
これを手伝うのに数時間。
その後、よりによって今日を選んで、馬を放つ牧草地の柵が壊れ、その修繕にさらに数時間。
乃亜の料理をコテージに運ぶ役目は、別の従業員に頼む必要があった。
よくあるスプリング・ヘイブン牧場の日常だ。
しかし一日くらい、神よ、ダグラスを開放してくれてもいいのでは?
とはいえ、神と、そして牧場の馬と牛たちは別の意見を持っていたらしく、ダグラスが偶然コテージの脇を通りかかったとき、すでに時刻は正午を過ぎていた。
ダグラスはピックアップトラックのハンドルを握ったまま固まった。
なぜならネイト・モンゴメリーが、コテージの宿泊客を馬に乗せてレッスンをつけている真っ最中だったからだ。
「ネイト!」
ダグラスはサイドのガラス窓を下ろすと叫んだ。「そこでなにをしてるんだ! お前はノアとピエドラにいるはずだろう!?」
馬上の若いブロンドの宿泊客とネイト・モンゴメリーが、一緒になってダグラスに顔を向ける。
「あんたの牧場のために仕事をしてるんだ、ダグラス!」
「今日この時間にレッスンの予定はなかったはずだ! だからノアと約束したんだろうが!」
──と叫びながら、予定より出発が遅くなりそうだと言った乃亜の言葉を思い出した。
ハレルヤ!
結局、乃亜はネイトと出掛けなかったということだろうか。今日という日も、悪いことばかりではないのかもしれない。
「ノアは残ったのか?」
そうであってくれ、とダグラスは願った。
もし神と、そして牛馬が許すなら、ダグラスが連れていってやれるかもしれない。それはなかなか明るい未来に思えてきた。
「ノアなら今頃ピエドラだよ!」
ネイト・糞野郎・モンゴメリーは叫び返してきた。
「は……?」
「明日にしようと言ったんだが、いつまでここに居られるかわからないから、引き延ばしたくないと言われたんだ。出発点まで車で連れていってそこで下ろしてやったよ。たった三マイルの周回路だ。ひとりでなんとかなるよ」
ダグラスの体内の血という血が一瞬にして沸点に到達した。
「くたばれ、ネイト! 覚えておけ──帰ってきたら殺してやる!!」
ダグラスは声を上げ、ネイトの反応を待たずにアクセルを全開にして国道へ向けて急いだ。