二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
「……今の、大丈夫だったのかしら、カウボーイさん?」
シカゴから休暇で訪れているという染めた偽ブロンドの女は、慣れない馬上で妙な角度に腰を振りながら、ネイトに猫なで声で語り掛ける。
「すまない」彼女の名前はなんだっただろうか?「俺たちカウボーイはさぞかし野蛮だと思っただろう?」
「そうね。でも、それこそわたしがコロラドに求めていたものよ。野蛮で大きくてセクシーなカウボーイをこの目で見ること」
「見るだけでいいんだ?」
ネイトは言葉裏に大人の事情を含ませて、それなりに色香を使ったつもりでいたが、成功したがどうかは半信半疑だ。普段のネイトはこのシチュエーションなら、シカゴの美容整形外科医が技を凝らした人工巨乳をありがたく味見するところだ。
ただ乃亜のことが気になって、心ここにあらずで本気になれなかった。この女性にもそれは伝わっただろう。
「ええ……。残念だけど今回は見るだけにしておくわ。何枚か一緒に写真を撮ってくれたら嬉しいけど。自慢して回れるもの」
ネイトは笑った。「喜んで」
まったく都会の女ときたら。広瀬乃亜を見習ったらどうだ? それともシカゴと東京では水が違うのだろうか?
ネイトでこれなのだから、さらに深い沼に落ちているらしいダグラス・マクブライトが現在どんな想いを抱えているのかは……神のみぞ知る、だ。
文字通り。
なぜならおそらく、ダグラス自身もわかっていないからだ。
ネイトはブロンド女の尻の代わりに馬の尻を叩くと、頭上のカウボーイハットの位置を正して前を見た。
「さあ、続けよう。俺のささやかな犠牲が無駄にならないことを祈るよ」