二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
* *
ダグラスが一度地面に捨てた荷物は、魔法のように役立つものがいくつも詰め込まれていた。
「とりあえずこれを着ていてくれ」
と渡された、雨合羽にもなる防水タイプのウィンドブレーカー。
顔だけでも拭くようにと出されたハンドタオルはジップロックに入れられていて、まったく濡れていなかった。
ダグラスは雨宿りのできる葉ぶりの大きな木の下へ乃亜をいざなった。
そこでしばらく待っていると、風は落ち着き、雨はしとしとと落ちる大粒から少しづつ薄い霧雨へと変わり、やがて日が差し込んでくる。
「わあ」
気がつくと、ついさっきまで雨だったことを忘れたような明るい空が広がっている。
瑞々しいプリズムが小さな虹を作り、森の中に掛かっていた。
色々と完璧だったダグラスの荷物に比べ、乃亜のそれは雨に濡れてほぼ全滅で、スマホがまだ使えるのは奇跡だった。
日本から持ってきた傘が吹っ飛んでしまった話をすると、ダグラスは息を飲んで硬直した。
「雷の標的になっていたらどうするんだ。合羽を用意した方がいいと言われたとき、うなずいていたのに」
「あのときのネイトさんとの会話、聞いてたんですか?」
「当然だろう」
「避けられてると思ってたのに」
乃亜はふふっと笑ったが、ダグラスは眉間に皺を寄せて首を振った。
「全部聞いていたよ」