二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~

君がいるべき場所 ※一部ダグラス視点


 その日の午後、乃亜をキャビンまで連れ帰ってから、ダグラスは自宅の二階で冷水のシャワーを浴びた。
 可能な限りの低温にしたはずなのに、効果はなかなか表れない。
 ダグラスは観念して目を閉じると、自分の右手に頼ることにした。

 ──乃亜。
 彼女を思い浮かべるのは簡単だった。

 出会ってからそう長い時間が経ったわけではないのに、たとえ冷水を浴びながらでも、彼女の姿は髪の先一本からつま先に至るまですべてを想像することができる。
 自分の性欲が希薄だと思ったことはないが、それ以上に自分を律することを学ばざるを得なかった人生が、これまでの禁欲生活を可能にさせていた。

 させていたのだ。 
 過去形。
 あのポンコツフォード車が牧場に続く道に現れるまで。

「……は……っ」

 ──乃亜。どうして……。
 いったいどういう幸運で、あの天使がダグラスの目の前に降り立ったのだろう。
 そしてどれだけ……ダグラスと彼女の人生が出会いさえする前から絡んでいたのか、乃亜は気づいているだろうか。

「く……っ」
 長く誰とも関わってこなかった陰茎が、極限まで高まるのに時間はかからなかった。
 乃亜はどうにかしてダグラスの元へ辿り着いただけではない──このときまで、清いままでいてくれたのだ。なんという奇跡だろう。

 前時代的だと嗤われてもいい。
 なんとでも罵ればいい……それでもダグラスは、もしかしたら自分が彼女の最初の──そして最後の──男になれる可能性があるのかと想像するだけで達してしまえる。

 隣の州まで。いや、もしかしたら日本まで。
 くそ。
 おそらく一回だけではどうにもならないのはわかっていたから、ダグラスは早々に最初の一本を抜いた。

 肩で息をしながらシャワールームの壁に寄りかかる。
 ああ……乃亜はここから歩いて一分の距離にいるというのに。
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