二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
ダグラスの腕が力強いことを、乃亜はもうずいぶん前から知っていた。
でも今このときほど頼りになると思ったことはない。
これほど……甘えたくなったことは。
ダグラスは乃亜を毛布ごと横抱きにして、キャビンからマクブライト邸への道を歩いた。このまま永遠にこの腕の中にいたい気持ちになったけれど、揺れるのはどうしても避けられず、乃亜は弱々しく懇願した。
「下ろして……ください。歩けます、から」
そう言っただけなのに頭がクラクラする。
おまけにダグラスは顔を近づけてきて、乃亜の耳元をくすぐるようにささやいた。
「どうして?」
もう……。答えたくない問いだってあるということを、コロラドのカウボーイは学ばないのだろうか。
「吐いちゃうかもしれないから……。カーペットだけでも失礼なのに……あなたの服まで」
「ノア、俺は気にしない」
「わたしがします」
「じゃあ気にするのをやめた方がいい。いいか、もし俺が熱を出した君をひとりで歩かせると思っているなら、大きな、大きな間違いだからな」
う……ん?
なんだかもう頭が回らない。乃亜は甘え続けることにして、吐き気が上ってこないことだけを祈った。
幸い祈りは聞き届けられ、乃亜はダグラスの腕に抱かれたままマクブライト邸の玄関をくぐることができた。