二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
「お嬢ちゃん! やっぱり具合が悪かったのかい?」
ホセが優しく心配げに声を掛けてくれる。乃亜はうなずいて答えようとしたが、ダグラスの腕にさらに力が入って、彼が代わりに答えた。
「ホセ、ノアは二階の寝室に連れて行く。彼女が食べられそうな料理と、風邪薬を持ってきてくれ」
「はいよ、ダグラスの旦那」
寝室……。
寝室に行くんだ……?
どの寝室だろう。まだ二階に上がったことはないが、この家の造りからして五、六部屋はあるだろうから、空いている客室もあるのかもしれない。
どうしてキャビンじゃなくてここなのかな……。
いくつかの疑問が浮かんでは、熱に邪魔されて消えていく。とりあえず乃亜はダグラスの腕に包まれていることに安堵してウトウトしはじめた。
ダグラスが階段を上り、ある部屋に入って乃亜をベッドに下ろしたときには、ほとんど眠りに落ちそうになっていた。
「まだ寝ないでくれ。もう少しだけ……薬を飲んでからにしないと」
「ん……」
「アレルギーは? なにか苦手な薬はあるか?」
「特にはなにも……」
それだけ確認するとダグラスは立ち上がって、部屋を出ていった。そして両手にいくつかの雑多なものを抱えて戻ってくる。
「吐きたくなったときはこれ」
と言われて、枕元に小さなプラスチックのボウルが置かれた。
うう……。恥ずかしいけれど確かにありがたい。
「薬はこっちだ。調べたところ日本にも類似品があったから、大丈夫だろう。ほら」