二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
乃亜は答える代わりに涙をひと粒流した。
ネイトは理解にうなずく。
「その二か月後、ひとりコロラドに帰ってきたダグラスを、ソフィアは責めた。曰く、ダグラスが軍隊に入るなどと言わなければ、ジョッシュは行かなかった。曰く、ダグラスはコンバット・メディックで、ジョッシュを救わなければならなかったのに、救わなかった。曰く──」
「も……もうやめて、ネイト。わかったわ。ひどい」
「その通りだよ。ひどい言いがかりばかりだ。でもあのとき、ソフィアはジョッシュを失ったばかりで、彼女の家族はジョッシュの死について冷淡で、怒りや悲しみのやりどころがなかったんだろう。そして、なんといってもダグラスはダグラスだから……いくら責められても、なじられても、言い訳も反論もしなかった。実際、責任を感じていたんだろう」
「そんな……」
「最終的に、ソフィアは『あなただけ幸せになるなんて許せない』とダグラスに言い放ったんだ。彼女は一生に一度の最愛の人を失ったのに、ダグラスだけのこのこと帰ってきて、誰かと幸せになる姿を見るのは耐えられないと。田舎だからさ。ちなみにソフィアの生家はパゴサの北で、そんなに遠くない場所にある。普通に生活圏の被る範囲だ。今日みたいにね。そしてダグラスは……ウィリアムのあの牧場を離れられない」
乃亜の涙に合わせたように、ガラス窓にぽつりぽつりと細かい雨が落ちてくる。
同じ涙でも、乃亜はもう自分のために泣いてはいなかった。
──ダグラスを想って。
彼の誠実を。その悲しみや苦しみを。
でも、その先にある強さを。