二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
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あの別れの日から春子とウィリアムが再会の日まで、実に六年の歳月が経っていた。月子は五歳になっていた。
ずっと音信不通になっていたウィリアムがついに出所し、当然退役もして、一般人として再来日したのだ。
春子が月子を連れて実家を訪ねているときだった。
その瞬間のことを──その瞬間のことだけは──曾祖母はあまり語りたがらない。
春子は涙を流しながら説明した。
あなたを愛していました。今でも愛しています。でも、この子を守るためには仕方なかったの……。
──あまりにも滑稽なメロドラマだったと。
それでもそういう時代だったのだと。
春子はすでに結婚していた。相手はそれなりに裕福で、春子に心底惚れて、月子のことも我が子のように面倒を見て医療費を支えてくれている。
そしてなによりも、春子はその夫との子供を妊娠したばかりだった。
ふたりはその場で別れたという。
ウィリアムが春子に唯一残したものは、『もし必要になったときに』という、コロラドの牧場の住所だった。
その後、春子は一度だけその連絡先に手紙を送った──十五歳の年に、月子の心臓が悪化したからだ。
手術が行える唯一の医者がアメリカにいるらしい。しかし莫大な費用が掛かる……もし可能なら、助けて欲しいと。
春子は返事のない覚悟をした。自分を溺愛している夫のため、別れのときにもう会わないと約束をしたからだ。血の繋がった娘との面会さえ拒否した春子を、助けてくれるはずがないと。
しかし、ウィリアムはその医師と連絡を取り、手術を手配し、すべての費用を払った。
……そのために大事な土地を売り払っていたことは、ダグラスの告白を聞くまで知らなかったけれど。
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そしてときは巡る。
残ったものは……なんだろう。
暗すぎる夜の果てに。長すぎる旅路の末に。ひとりの男性の愛が残したものは、なんだろう。